Basic information
基本情報
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2020年施行の外商投資法により、外資企業も組織体系の根拠制度は会社法となったことから、会社の意思決定機関は株主会となり、株主会→董事会→高級管理職(総経理等)という統治体系に統一されました。
なお、2019年以前に設立された外資企業は経過措置として2025年までは従前の組織体系(董事会を最高意思決定機関とする体系)は有効とされていますが、2025 年までに現行制度に即した組織体系への変更が必要となります。
会社運営にあたっては、社内のルールを定め、当該ルールの目的と内容の周知徹底を行います。
整備しておいた方がよい規定として以下のものが挙げられます。(◎必須、〇推奨)
◎会社定款 | 現地法人の最も基礎的事項を定めたもの。会社の憲法といえる。 |
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◎就業規則 | 従業員の就業に関するルールを定めたもの。 |
〇職務分掌規程 | 部門や役職ごとの職務権限や責任の範囲を定めたもの |
〇賃金規定 | 賃金体系等を定めた規定 |
◎財務関係規定 | 会社の会計処理及び財務処理のルールを定めたもの。 |
〇資産管理規定 | 会社の各種資産の管理を定めた規定 |
〇情報セキュリティ規定 | 会社の情報資産の管理及びセキュリティ事故が生じた場合の対応を定めた規定 |
なお、社内の規定類の制定や改変にあたっては、従業員の利益に影響する場合、工会(組合)または従業員代表の意見聴取が必要とされています。
会社がルールを定めても、実際の運用ではルールが守られていないことや、定めたルールが現地の制度や実態に即していなければ意味がありません。このため、定期的に運用状況のチェックと、必要に応じてルールの見直しを行います。
運用チェックにあたっては実際の運用状況を正確に把握し、ルールを逸脱する行為に対しては適時是正指導をすることでルールの形骸化を防ぎます。
また、ルールの見直しにあっては会社として何を(効率、法令、有用性等)優先するのかを明確にし、従業員へ変更の理由と変更後の内容について周知徹底を行います。
この運用チェックと是正を適時適切に行わない場合、現地法人のガバナンスを弱体化させる要因となりますので、中国現地法人のみならず日本親会社も含めモニタリングをし、必要に応じ是正をしていくことが肝要です。
現地拠点の運営はこれまで日本の親会社より管理者が派遣され、日本人管理者が主体となり現地法人を運営しているケースがほとんどでしたが、現地の経済環境の急激な変化や現地消費者のニーズを機敏に対応するため、近年現地幹部社員に現地拠点の運営を任せるケースが増えてきています。
現地拠点を運営するにあたり現地責任者の職責範囲と権限範囲について、分掌規程にて明確にしておく必要があります。また、日本親会社による業務監査を定期的に行うことで、現地法人の内部統制機能を補完するとともに、現地責任者とのコミュニケーションを確保し、相互の信頼関係を維持していくことが肝要です。
中国では、各種制度において労働者が保護されており、労働紛争における仲裁や裁判では外資系企業に不利な採決や判決がなされることも少なくありません。
このため、現地法人運営において労務管理は重要な課題ですが、実際には難しい課題の一つと言えます。中国社会の背景・地域性・文化風習等も踏まえ、会社が求める人材が活躍できる運営体制を構築していくことが現地組織運営の要となります。
親会社による中国子会社管理は、放任でも過干渉でもなく、適度な距離感で牽制機能を保持しながら、必要に応じフォローができる管理体制が望ましいと考えます。
前述した定期的な内部監査の実施、現地責任者とのコミュニケーション確保、現地の各種制度や実務の現状を適切に把握するなどにより、中国現地法人及び中国事業の状況を日本親会社の社内で共有し、投資者の立場で現地法人に関与することが望ましいと考えます。
なお、中国現地法人のリソースが不足するため、日本親会社にてサポートが必要な場合には、グループ内役務提供と認識し、税務上業務内容に応じ適切な業務報酬額で対価決済をすることが求められますので注意が必要です。
新型コロナウィルスの蔓延により、一時的な経済活動の停止、移動の制限など通常の経済活動ができない状況に陥り、各社の危機管理対応力が試される事態となりました。
海外拠点を有することは、成功の機会を得ると同時に会社経営におけるリスク要因を増やすことにもなるため、グループ会社運営の重要な施策として危機管理体制を整備しておくことが望ましいといえます。
中国現地拠点の運営や親会社の中国子会社管理に関しご相談のある方は、お気軽にお問い合わせください。
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