流通税の附加税費として課税される「都市維持建設税」「教育費附加」は「中華人民共和国都市維持建設税暫定条例(1985 年 1 月 1 日施行)」
「教育費附加の徴収に関する暫定規定(1986 年 7 月 1 日施行)」に基づき徴収される税費目ですが、1994 年から 2010 年 11 月 30日までの
期間は、外商投資企業、外国企業及び外国籍個人に対してはこれらの徴収が免除されていました。
その後 2010 年 10 月に国務院から公布された「内外資企業及び個人の都市維持建設税及び教育費附加制度の統一に関する通知」
(国発【2010】35 号)により、同年 12 月 1 日以降は外商投資企業等に対しても都市維持建設税・教育費附加が課されるようになっています。
「都市維持建設税」及び「教育費附加」は、増値税・消費税・営業税(営業税は 2013 年に増値税への移行により廃止)を納付する納税者が
納付の義務を負うものとされており、「都市維持建設税」の税率は企業所在地により異なり(市区は 7%)、「教育費附加」の税率は一律 3%とされています。
また、「教育費附加」の他に「地方教育費附加」についても 2011年ないし 2012 年ごろから各地で徴収が開始されています。
市区に所在する企業の場合は 3つの税費目合わせて 12%の税率で徴収されています。
課税ベースは、納税者が税法に従って実際納付した増値税額、消費税額を課税ベースとしますが、このときの課税ベースは下記の計算式で計算します。
「納付すべき増値税・消費税の税額(増値税の免除・控除税額を含む) - 減・免増値税・消費税
- 免除・控税額
国内販売と輸出販売の両方の取引を行っている納税者の国内販売にかかる増値税と輸出税金還付額とで相殺される税額
(これにより国内販売のみ行っている企業と両方の取引を行っている企業とで、売上額が同じであれば納付する流通税附加費の税額は同額になります。)
- 増値税免除額
小規模納税人の四半期課税売上が 45 万元以内の場合に増値税納付が免除されるため、増値税を課税基数とする3つの附加税費も免除
- 増値税減額徴収
偽造防止税金管理設備の購入代金と当該設備の技術保守費支出、および簡易課税方式で固定資産の処分に係る増値税を計算した場合の徴収減額分(税率 1%を低減)
2020 年 8 月に「中華人民共和国都市維持建設税」が改訂・公布され、また 2021 年 8 月 24日に公布された「財政部、国家税務総局の都市
維持建設税の課税ベースの確定方法等の事項に関する公告」(財政部、国家税務総局公告【2021】28 号)により、中国境外の企業・個人が
中国国内の企業・個人に対して役務・サービスの提供または無形資産を販売したことで得た収入にかかる増値税・消費税は都市維持建設
税の課税基数としないことが規定されています。
また、教育費附加と地方教育費附加の課税基数は都市維持建設税の課税基数と同じ基数を使うことから、2021 年 9 月 1 日以降に行われる
中国国内の企業が境外の企業・個人に支払う非貿易項目のロイヤルティ・技術支援費・商標権使用料・設計費・コンサルサービス費、コミッション、
借入金利息などのサービス・役務支出及び境外からの管理ソフトウエア・アップグレードサービス費などの無形資産取得支出については、
境外の企業・個人のために増値税は代理徴収したうえで、これら 3 つの附加税費については代理徴収する必要がなくなりました。