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年明けから続いた年度決算、監査、確定申告及び年検と一連の年度末業務が6月で完了し、財務部門も通常の業務に戻り一息ついていることかと思います。中国の会計税務の業務スケジュールからみると、夏場から秋口にかけては比較的余裕のある時期となりますので、中国現地法人の財務管理運営状況の点検及び改善を行うにはよい時期といえます。
そこで今回は、中国現地法人の財務管理のポイントをご案内いたしますので、自社の点検及び改善にご参照ください。
中国の会計税務の実務処理では、増値税発票を中心とした会計税務処理が行われる傾向にあります。
つまり、取引発生時に増値税発票を発行に基づき売上計上を行い、仕入取引者は取得した発票に基づき仕入計上を行うなど税務上の発票に基づき会計処理を行うなどです。
中国の財務員の意識には、取引の発生事実に基づく適切な会計処理及び損益計算より、このような増値税発票に基づく会計処理と税務申告を重視する傾向にあります。
これは、会計実務において、会社の会計が税務申告のための会計という意識が強く、税務局担当者が受け入れられる会計税務処理に引っ張られてしまうためです。
適切な税務申告を行うことは当然のことだが、税務局担当者に取引実態を適切に伝えられず誤った事実認識で指導が行われるケースもあり、また、これまで税務当局に指摘されていないとの理由から誤った処理を続けているケースも珍しくありません。
本来、会計も税務も形式より実質に基づき判断するものですが、中国の会計税務の実務では、形式が整っていれば(発票があれば)、取引実態の把握をせずに処理されているケースが散見されます。
発票の発行時期と会計上の認識時点にズレが生じている場合や代替発票による費用計上は適切な処理とは言えませんが、実務の現場では、取引の実態をより正確に把握し適切な会計処理を行うよりも、形式的な証憑のみで処理がされているケースも少なからず見受けられます。
一般的に、中国現地法人違派遣される日本人管理者の人数は少なく、日常的に財務業務のチェックまで手が回らない会社が多いです。また、日本親会社による内部監査が不十分ため、会社内及びグループ内によるチェック機能が有効に働いていないケースも少なくありません。
上記1の特徴のほか、不正が行われる要素を踏まえながら、中国現地法人の財務業務フローを把握し、部門内や部門間、社内及びグループ会社内で内部牽制機能の有効性を確認し、問題のある個所を洗い出します。
洗い出された問題点を性質ごとに分類し、当該問題点が及ぼす影響を分析したうえで、改善すべき問題点について優先順位をつけて、改善に取り組むことが肝要となります。
一般的に洗い出される問題点について性質ごとに分類すると以下の通りとなります。
一般的に洗い出される問題点が及ぼす影響は以下のようなものが考えられます。
中国現地法人運営において、適切な財務処理と財産保全を行うことで、利害関係者に正しい財務情報を提供し、利害関係者が適切な財務情報に基づく判断と行動を行うことができるようにするためには、適切な財務管理体制の整備と運用が不可欠といえます。
ただし、中国独特の会計慣行と必ずしも遵法意識が高いとは言えない環境下において、適切な財務管理体制の整備と運用にあたっては相応の労力を要することは否定できず、これをかなえるためには日本親会社と現地責任者の本気度次第といえます。いわば会社次第といえます。
このため、日本親会社と現地責任者はお互いに現状を適切に認識し、全社的な取り組みとして進めていくことが肝要といえます。また、現地社員や現地外部関係者との板挟みとなる現地責任者へのケアも忘れてはいけません。
常駐管理者の人数に限りのある中国現地法人の日本人管理者はすべての業務を見なければならないとはいえ、現実的には不可能に近いといえます。また、日本親会社側の管理サポートも遠隔での対応であることから、かならずしも十分なサポートができているとは言えない会社も少なくないと思います。
とはいえ、財務管理をおろそかにすることはできませんので、現地コンサルに財務管理業務の一部を委託することも一案といえます。
弊社では、会社様の実情やご要望に応じ様々な財務管理業務の支援を行っております。
中国現地法人の財務業務の現状把握及び改善をご検討のお客様は、ぜひ一度ご相談ください。
以上
(担当:安達)
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