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《中華人民共和国印紙税法》（以下、《印紙税法》という）が2021年6月10日に第十三期全国人民代表大会常務委員会第二十九回会議にて可決され、2022年7月1日より施行されます。
これまでは《中華人民共和国印紙税暫行条例》でしたが、企業所得税法・個人所得税法・車船税法などと同様に国家の12番目の税法として「格上げ」されたことになります。
（ちなみに、増値税は税法ではなく「暫行条例」の状態です）

納税義務者（以下「納税者」）及び源泉徴収義務者の定義が明確化されています。

• 中国国内で課税対象の文書を作成し、又は証券取引を行う組織及び個人は、いずれも印紙税の納税者であり、本法の規定により印紙税を納付しなければならない。
  課税対象文書が中国国外で作成されたものであっても、中国国内で使用する組織及び個人は、本法の規定により印紙税を納付しなければならない。
• 納税者が外国の組織及び個人の場合で、中国国内に代理人がいるときは、その代理人が源泉徴収義務者となる。
  中国国内に代理人がいないときは、納税義務者が自ら印紙税を申告・納付しなければならない。

「具体的な実施弁法は国務院税務主管部門が作成する」とあり、上記の「中国国内で使用する」というのが具体的にどのような状況を言うのかは明確になっていない部分もあります。

日本の印紙税の場合

「日本国内で作成された文書」について課税されることになっていますので、日本と中国で契約調印する場合に、先に日本で押印してそれを中国に郵送して中国で両方の調印が完了する場合は日本の印紙税の課税対象外とすることができますが、中国の印花税はこれとは規定のしかたが異なります。

税目及び税率
（黄色の項目は旧暫行条例と内容が変更になっている項目です）

• 印紙税の納付は、基数金額の割合に応じて計算する。課税対象となる契約書、所有権移転証書で金額の表示がないものについては、実際の決算金額に従って計算しなければならない。前条により金額も確定できない場合には、課税対象となる契約書、所有権移転証書の作成時の市場価額を基準に計算する。
  また、政府定価或いは政府の指導価額に従う必要がある場合には、国の関連規定に従って計算する。
• 課税対象となる文書に記載する増値税額は印紙税の基数金額から外すものとする。
• 印紙税納付済みの営業帳簿について、後年度で記載する資本金及び資本準備金の合計額が納税済みの金額の基数金額を上回る場合には、差額分に対して追加納税金額を計算する。
• 同一文書を二者以上の者が作成する場合には、各当事者はそれぞれが関連する金額に応じて印紙税を計算しなければならない。
• 「納税額が1角未満の場合には、印紙税の納付を免除する。」と「納税額の端数が5分未満の時にはこれを切り捨て、5分以上の時は1角として繰り上げて計算し、納付する。」との規定は削除された。

納税者が組織である場合には、組織所在地の主管税務機関に印紙税を申告しなければならない。
納税者が個人である場合には、課税対象となる文書の作成地、或いは納税者居住地の主管税務機関に印紙税を申告しなければならない。
不動産の所有権移転については、納税者が不動産所在地の主管税務機関に印紙税を申告しなければならない。

• 印紙税の納税義務発生日は、課税対象となる文書の作成日、又は証券取引の完成日である。
• 印紙税は、四半期ごと・年度ごと・取引毎に申告する。四半期ごと、又は年度ごとに定期一括申告する場合には、納税者が当四半期、又は当年度終了日から十五日以内に印紙税を申告・納付しなければならない。
  取引毎に申告する場合には、納税者が納税義務発生日から十五日以内に印紙税を申告・納付しなければならない。
  証券取引の印紙税は週ごとに申告・納付する。
  証券取引印紙税の源泉徴収義務者は、毎週終了日から五日以内に印紙税及び銀行決算利息額を申告し、納税しなければならない。

《印紙税法》は2022年7月1日施行
1988年6月5日国務院が公布した《中華人民共和国印紙税暫行条例》は同時に廃止