天津大野木邁伊茲諮詢有限公司
北京大野木邁伊茲諮詢有限公司

日常の企業活動の中で発生する費用や原価のうち、収益獲得に関わる合理的な範囲の支出については、税金計算の基礎となる課税所得を算出する際に税前控除（損金算入）することができるのは日本の法人税法でも中国の企業所得税法でも基本的に同じですが、中国では、一般的にはいわゆる「発票」の取得が要件となるというのはご理解のとおりです。
しかし、取引内容によっては「発票」が無くても税前控除（損金算入）のための証憑となりえる費用支出もあります。
今回は、中国の税務機関が税前控除（損金算入）のための証憑（発票と、発票を取得できない合理的な支出にかかる代替書類を規範化するために 2018 年に公布した『税前控除証憑管理弁法』（国家税務総局公告 2018 年第 28 号）の内容をご紹介します。

▼真実性

…　　経営過程で実際に発生した支出であること。

▼合法性

…　　合法的な発票または合理的な証憑を取得していることを前提に、その取引に関わる契約書類、現預金以外の方法での決済を行った場合には非現金の支払証明書類、通関書類・出庫単などを証明資料として提示できること。
…　　架空（偽造の発票使用行為があった場合には、契約書類と支払請求書等の証明書類があっても、合法的な税前控除（損金算入の証憑とはみなされない。

▼関連性

…　　会社の主要製品の生産・販売とサービス提供のために発生する支出であり、それと関係のない支出と判断されるものについては、合理的な発票と証憑を取得しても税前控除（損金算入はできない。

日常の企業活動の中で業務に直接関連する証憑には、外部証憑と内部証憑があるが、上記 1 の基準・要件を満たすものについてのみ税前控除（損金算入することができるものとする。

以下に具体的な証憑を列挙：

 

会社は取引・業務完了時に適時に発票を相手方に請求し、財務担当者が発票の真偽を判別して（必要に応じて「全国増値税発票検査システム」を通じて検査）処理を行うことができますが、特殊な取引・業務の場合や、業務上でトラブルがあったなどの不測の事態により、適時に発票を取得できないケースもありえます。これらの状況に対して税務機関は特殊事情処理として以下の通り規定しています。