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中国の今の個人所得税法が2019年1月から施行されて6年目に入っています。

現在のこの税法の関連規定により、「住所のない居住者」である外国籍の駐在員について、税務上の中国での居住年数が、2019年から1月1日を起算としてカウントすることになったため、2024年末までは、すべての外国籍駐在員の中国国内での税務上の居住期間は6年未満となり、中国国外で支払われた中国国外源泉所得（中国国外にある不動産の賃貸収入、株式譲渡や配当に係る所得、保険満期金に係る所得、国外勤務期間に係る退職金等）については、課税はされずに免税優遇を受けることができています。

2019年から中国に連続居住している駐在員の方は、今年は新税法施行後の“6年ルール”の最終年度となり、「滞在期間カウントのリセット」をしない場合には、来年2025年からは住所のある中国籍人員と同じように、全世界所得課税の適用を受けることになります。

「中国国内に住所を有しておらず、中国国内における暦年居住日数が累計して満183 日の年度が連続して6年未満の場合には、主管税務機関に届け出をしたうえで、中国国外源泉で、かつ中国国外の組織または個人が支払う所得については、個人所得税の納付を免除する。中国国内に居住する日数が暦年累計183日以上のいずれかの年度において、1回の出国が30日を超えた場合には、中国国内に居住する累計183日以上の年度の連続年限は再起算（リセット）されるものとする。」

ー個人所得税法実施条例第4条

▼リセットポイント：一暦年において、連続30日を超える出国

注①
免税政策の実施について、実務上は一般的には税務機関に届出等はせず、財政部税務総局の2019年35号の関連規定に基づいて免税処理することができる。

注②
居住日数の確認：財政部税務総局2019年第34号第2条で「住所のない個人の1納税年度（暦年）内の中国国内累計居住日数は、個人の中国国内に累計滞在した日数で計算する。中国国内に滞在した当日が24時間以上の場合は、中国国内居住日数に計上し、中国国内に滞在した当日が24時間未満の場合は、中国国内居住日数に計上しない」と規定される。
出入国当日は居住日数に計上しない

注③
出国日数の確認：明確な規定はないが、居住日数の確認基準によるものとし、実務では税務当局の口頭承認を取得した上で、通常は出入国当日を出国日数と見なすことができる。1回の出国が30日を超えるリセット条件を満たすために、出国から再入国までの日数を少なくとも31日確保したほうがよいと思われる。

財政部税務総局公告2019年第34号の関連規定に基づいて、外

国籍人員が以下の3つの条件を同時に満たす場合には、中国国内源泉所得と中国国外源泉所得について中国で個人所得税を納付しなければならない。（全世界所得課税）

※1.納税当年度において中国国内に累計183日以上居住している
※2.前の6年間において毎年の中国国内での年間累計居住日数は183日以上である
※3.前の6年間に1年に1回で30日を超える出国記録はない

注：前の6年間は納税年度の前年から遡って連続する6年間を指し、6年間の起算年度は最も早い場合で2019年として計算を開始する。

▼ヒント

上記の3つの条件のいずれか一つでも該当するものが無い場合には、外国籍人員は全世界所得課税を回避することができる。

2019年に改正された個人所得税法第2条の規定に基づき、以下の各所得は個人所得税を納付しなければならない

▼注意点：

国外源泉所得がある居住者については、毎年の個人所得税の確定申告期間に（3月1日～6月30日）国外で納付した所得税は、国外の税務機関が発行した納税証明書を持って税務機関の窓口において中国で納付すべき個人所得税から控除することが規定上できることになっているが、実務上は規定通りに適用されるかは当地の税務局しだいであり、適用が認められない場合には、二重納税のリスクが生じる可能性がある。
なお、北京では中国籍個人の外国税額控除の適用実例はあるが、相応の手間と時間を要することから、外国籍人が自身で対応するにはハードルが高い手続きと言える。

「国外源泉所得」がある方で、下記の状況に該当する場合は、2024年の最後の半年に連続31日以上の出国をすることによる、累計連続居住年数のリセットをご検討ください。

• 2019年～2024年の6年間毎年中国での累計居住日数が183日を超えている
• 2019年～2024年のいずれの年にも1回の出国期間が連続30日を超える記録がない
• 来年2025年の中国での累計居住日数も183日を超えることが予定されている